フレーミング効果は、対象をフレームに当てはめ効果的に誘導する考え方を言い、人間は自分の意思で動いているのではなく、ある法則によって支配され、好奇心や恐怖によって突き動かされていることがわかってきて、日常生活の中にその法則が存在し、今ではビジネスにも活用されています。
多くの心を誘導する言葉により、左右されている生活を過ごしている私達は、深層心理に動かされています。
そんな法則による心理作戦を確認してみましょう!
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フレーミング効果では、物事の伝え方で捉え方が変わる?
例として、手術を嫌がっている患者さんに、手術を受けてもらうように説得する言葉で、
「もし手術しなければ、1%は助からないかもしれませんよ!」
と言うよりも、
「もし手術をすれば、99%助かりますよ!」
と言われた方が、手術を受けてみようという気持ちになると思います。
人にとって一番避けたい事は、体や心の痛みや恐怖なので、上手に回避方法を伝えることによって、行動してくれるようになります。
また他の例として、
500円と700円のお弁当を売っているお店で、700円のお弁当がもっと売れないものか?と考え、ちょっと豪華な1000円のお弁当を近くに置くことにしました。
すると今まで、500円のお弁当の売れ行きが良かったのが、700円のお弁当が一番よく売れるようになったのです。
安い方を選択してしまうという心理が働き、1000円の豪華なお弁当を近くに置いたことによって、700円のお弁当が安く感じてしまい、また500円のお弁当よりも品質が良いと感じてしまうのです。
面白いですよね?
フレーミングとリフレーミングの違い
フレーミングとは、物事をどう考えるかや捉えるかの枠組みのことで、言い回しや表現の違いで異なる印象を与えることがあります。
例えば先にも例を挙げましたが、「生存率99%」と言われると安心感を抱くかもしれませんが、「死亡率1%」と言われると心理的には異なる印象を受けます。
これがフレーミング効果です。
リフレーミングは、フレーミングを変えることで物事の捉え方を変えることを指します。
例えば、ジャングルで道に迷ったとき、水筒の水が半分しか残っていないと考えると心配になりますが、逆に「まだ水筒には半分も水が残っている」と考えると安心感が生まれます。
これがリフレーミング効果です。
パフォーマンス・コンサルティングの文脈では、クライアントの要望を別の視点で捉え直し、問題を再定義することがあります。
例えば、クライアントから「社内の二つのチームが仲が悪いので、チームビルディング研修を行いたい」という相談があった場合、実はチーム同士の競争が原因で問題が起きていることが分かることもあります。
この場合、チームビルディング研修だけでは解決しないので、問題の捉え方を変える必要があります。
パフォーマンス・コンサルティングでは、これをリフレーミングと呼んでいます。
9つの法則による誘導・心理作戦
メラビアンの法則
初対面の人との印象やその人の性格は、見た目で大まかに判断されることがあります。
外見の印象が親しみやすい場合、服装やメイク、ヘアスタイル、アクセサリーやバッグなどが自然でナチュラルな印象を与えているからだと思います。
特に接客業やセールスの場合、このような要素を意識すると良いですよ。
リトルの法則
行列の長さを見ると、並ぶべきかどうか悩んでしまうことがありますね。
そんな時に役立つのが「リトルの法則」です。
まず、最後尾に1分間だけ並んでみましょう。事前に行列の人数を把握し、1分後に自分の後ろに何人並んでいるかを確認します。
例えば、30人の行列で1分間で後ろに3人並んだ場合、30÷3=10となり、入店までの時間は約10分です。
実際にテレビ番組で実験してみました。
23人の行列で1分間で後ろに2人並びました。その場合、23÷2=11分30秒となり、実際には12分9秒で入店することができました。
この実験によって、リトルの法則がほぼ正しいことが証明されました。これからは行列を見ると、実験のために並びたくなるかもしれませんね!
ピークテクニックの法則
街で行われる面白い実験があります。
歩行者にアンケートをお願いする場合、「すいません、1分だけアンケートをお願いしてもいいですか?」と声をかけると、多くの人が時間がないと断るでしょう。
しかし、ここで「すいません、48秒だけアンケートをお願いしてもいいですか?」と声をかけると、どうでしょう?
「なんで48秒なの?」と気になり、つい足を止めてしまいたくなるはずです。
さらに、本当に48秒で答えられるアンケートなのか試してみたくなるでしょう。
これがピークテクニックの法則で、値札などに切りの良い540円ではなく、ちょっと考えさせられる538円という数字を使うお店が多い理由です。
Zの法則
スーパーや他の店舗のチラシで、たまごやラップなどが特売品として目立つ位置に載っていることがよくあります。
特売品やお店が積極的に売りたい商品を目につきやすい場所に配置することで、集客効果も高まるという販売法を一部の店舗は利用しています。
また、アルファベットの「Z」の位置に商品を配置するだけで、その商品が売れるとは考えにくいですが、この「Zの法則」は人々の心理に訴えかける販売手法として活躍しているようです。
ゴールデンラインの法則
お店の陳列方法には、重要な法則があります。
商品の陳列場所はとても重要ですよね。お店に入った時、まず目が行くのはやはり目線の高さにある商品です。
床から140㎝と135㎝の10度の位置に、売りたい商品を陳列すると、すぐに目が行きやすいようです。
ミラーリングの法則
「あっち向いてホイ!」のゲームでは、相手の指を見て誘い込まれて、その方向を向いてしまうことがよくありますね。
しかし実は、私たちは相手の指を見ているのではなく、相手の目を見ているのです。そして、知らず知らずのうちに相手の視線の先に誘導されてしまうのです。
また、街で歩いていて前方から来る人とぶつかりそうになる場合もありますが、これも相手の目を見ているため、相手の視線の先に誘導されてしまうようです。
マジンシャンズセレクトの法則
私たちは自分自身で選択し、決断したと思っていた答えが、実は誘導されていてその結果に導かれたという経験を、心理マジックなどで目にしたことがあるかもしれません。
写真の中から1枚ずつ選んでいく過程で、最終的に全員が同じ1枚の写真を選ぶという現象は不思議ですが、それは実はマジシャンズセレクトの法則によって私たちがその写真を選ぶように導かれているからです。
イエスセットの法則
相手に信頼感を与え、初対面でもリラックスした雰囲気を作り、交渉時に有利に働く関係を築くための法則があります。
例えば、「今日は寒いですね?」という問いかけに対して、相手が「そうですね」と肯定的な返答をするような会話を進めるのです。
このように全ての返事を肯定的なイエスで返るようにすることで、相手との関係が和み、場の雰囲気もよくなるでしょう。
アンカリングの法則
商店などでよく見かけるのは、定価が6000円の商品に赤字で1000円と書かれた値札です。これを見ると、とてもお得な感じがして、本当に必要でなくてもついつい買ってしまうことがありますね。
また、別の例として、会社の上司から資料の提出を1週間後に依頼された場合、実際には3日で仕上げて提出すると、上司はその早さに感心し、その部下を一目置くようになります。
フレーミング効果は日常生活に必要なの?まとめ
フレーミング効果とリフレーミング効果、そして9つの心理をついた法則など、人の心を誘導する心理作戦は、ビジネスにも活用されていて、収益を出している企業も多くあります。
店頭などのキャッチコピーで入店を決めてみたり、テレビCMでもつい口ずさんでしまうフレーズがあります。
例えば、「お値段以上、ニトリ!」など、品質は値段以上で、購入していただいて損はさせませんよ!と言っているような感じです。
ポジティブな言葉が世の中に増えてきたら、気持ちも前向きになって、幸せな毎日が過ごせそうですね?^^
心理作戦、素敵な言葉や行動は、どんどん増やしていきたいですね!
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